身分系VISA全般

外国人から身元保証人を頼まれたらどうすればいい?責任は?

はじめまして,ウィステリア国際行政書士事務所の代表行政書士・申請取次行政書士の伊藤です。

在留VISAの一部では,申請時の必要書類に“身元保証書”が必要とされています。

外国人を雇用している企業さまの代表者や,外国人のご友人の方で「身元保証人になって欲しい」と頼まれた方もいるのではないでしょうか?

一番気になるのは「身元保証人になることで,自分はどんな責任を負うのだろう?」という点だと思います。

そこで,身元保証人が負う責任や,身元保証書の存在意義をお話したいと思います。

 

身元保証人が負う法的責任は無し

結論から申しますと,身元保証人は一切法的責任を負わないので,ご安心ください

身元保証書には,外国人の滞在費・帰国旅費・法令の遵守について,保証人が法務大臣に対して保証する旨が書かれています。

【身元保証書 見本】

「え? じゃあ,その保証したことについて責任を負うんじゃないの…?」と思いますよね。

 

ですが,先ほど述べた通り,この保証は法的責任ではありませんので,仮のこの保証内容を履行しなかった・できなかったとしても,損害賠償されるとか,代わりにお金を払うとか,罰金を支払うとか,罰則があるとか,そのようなことはありません

また,身元保証をした外国人から,身元保証書にサインしたことをもって,滞在費や帰国旅費を請求されても支払う法的義務もありません

 

人道的・道義的範囲にて責任を負う

前述のとおり,身元保証書にサインして身元保証人になったとしても,法的責任を負うことはありません。

「どうせ責任を負わないなら,気軽にサインしちゃえばいいのね」と,無責任な保証人引受けはオススメしません。

 

法的責任は負わないにしても,身元保証人を引き受けたという事実から発生する人道的・道義的責任はあることには変わりないからです

そのため,身元保証人を引き受けた立場として,あくまでも善意・良心の範囲内で,相談にのるなど,してあげられることはしてあげて欲しいと,行政書士の立場として思います。

 

身元保証人を引き受けた方へ

身元保証人を必要とする外国人のため,身元保証人を引き受けてもよいと判断し,身元保証人になってくださる方は大変貴重です。

なぜなら,外国人の方から申請の代行を引き受けた行政書士は,身元保証人がいなければ申請書類が揃わず,業務を完了することができないからです。

そのため,いつも依頼者である外国人の方から記入された身元保証書を受け取るとき,身元保証人になってくれた方に,心の中で感謝をしています。 本当にありがとうございます。

※依頼を受けた行政書士が身元保証人になることは可能です。 しかしながら,そのような文化が根付いてしまうと,身元保証人を用意するという制度が形骸化してしまう危険があります。 そのため,やはり身元保証人は,申請人である外国人と社会生活上で接点が有り,一定の信頼関係を構築した人がなるべきと,私は考えております。

※未記入の身元保証書を受け取ったけども,汚損した・書き損じてしまった場合に備えて,こちらにリンクを置いておきます。

法務省提供 身元保証書pdf

 

身元保証書が必要な申請

身元保証書が必要な申請は現在少なくなってきており,身分系VISAの日本人の配偶者等・永住者・定住者などに限られています。

 
解説は以上です。

最後まで読んで頂き,ありがとうございました!

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